原料処理

日曜日の昼食時、テレビを見ていると今年の夏も昨年かそれ以上に暑くなると言っていました。もう観測史上最高温度を更新とか、、、巷では当たり前になってきました。

昨年の秋に収穫された山田錦、吟吹雪、雄町などなど様々な酒米が観測史上もっとも暑かった夏の高温障害により、硬い硬い米となってしまいました。滋賀県の渡船なんて、例年の5~6割しか収穫されなかったそうです。

硬い米は、すなわち米が溶けにくく、その結果、味乗りの悪いペラペラな酒になる恐れがあります。

ワインならブドウの出来がもろに品質に反映されてしまうので、その対策を醸造所ではなく、畑でしなくてはなりません。でも、日本酒は醸造所、つまり造り手の工夫、技術で対応できます。ワインはお天道様がつくる酒、日本酒は人がつくる酒とよく言われる所以ですね。

その高温障害によるカチカチの米をどうすれば良いのか・・・?

各蔵が知恵をふり絞ってそのテーマに取り組んでいます。様々な方法がありますが、代表的な対策として、吸水、蒸しの時間を長めにとり、カラカラの米に水分を普段より多めに与えるという方法。その「多め」というキーワードに全国の杜氏が立ち向かっている。原料処理が以前にも増して難しくなっているんですね。

お酒の出来不出来がネットでもよく論じられます。今年の「●●政宗は全体的に味が軽い」「今年の●●誉は純米は最高だった」とか。思ったことを言い合うのは全然OKで、それが酒飲みの楽しみでもあります。

でも、心の隅に少しだけ、がんばって酒にしてくれた蔵に感謝の気持ちをもっていただけると嬉しいです。そして、みなさんが杜氏や蔵人たちと話す機会があればぜひ「お疲れ様」と声をかけてあげてくださいね。きっと彼らの心に響くはずです。

02 Jun, 2024
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